Kuroita

ノーカントリーのKuroitaのレビュー・感想・評価

ノーカントリー(2007年製作の映画)
4.5
前半、逃げたり追ったりのハラハラする寸劇を楽しむくらいにしか観てなかったのに、後半から哲学が流れる。
空気銃で次々と人を殺す彼は、結局は、題名のノーカントリーそのものであり、どこにも帰還しない。
何にも寄りかかることを許さない(許されない)彼のある意味恐ろしくまっすぐに人を見据える眼差しの中に、最後はほんの少しだけ情緒がみえた気がした。
何かを得たら失うみたいな、両極性をコインの裏表で表現していて唸った。
そして、人生の終盤に神様が介入してくれたらと願うのは、きっとみんなそう。
たとえその願いが敗れても、自ら還る場所を夢みることができる警察官は、まだ信じることの端くれを享受しているような気がしました。
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