toriten45

ノーカントリーのtoriten45のレビュー・感想・評価

ノーカントリー(2007年製作の映画)
3.5
怖い理由の7割がハビエル・バルデムによる演技で、残りは髪型のせい。

どうやったらこんな恐ろしいキャラを作り出せるのでしょう?とことん追われる怖さを味わうならこれ以上のものはないです。

追ってくるのは、悪魔のような殺し屋アントン・シガー。感情のない顔つきも、不自然なほど緩慢な動きも、ちょっとした仕草でさえも怖い。ちなみに武器は、家畜の屠殺に使うエアーガン。普通じゃなさ過ぎる…。

そのアントン君が執拗に追うのが『グーニーズ』のアニキ分、ジョシュ・ブローリン。そしてこの2人を追うのが保安官に扮する缶コーヒーBOSSのトミー・リー・ジョーンズ。

普通の人たちが、禍々しい武器によってプシュプシュと無慈悲に命を奪われる。それはまるで古き良きアメリカのイチ時代が、未知なる第三者によって強制終了されるさまとイメージが重なるのだそうです。であるなら、「ラブ・予定調和な時代」から「予想不能な時代」に突入、って言い換えたら日本にも当てはまるところがあるかも。

それをなす術もなく傍観する作品。そんな感じで追跡劇が描かれてました。とことん追われる怖さを味わってください。
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