稀

ノーカントリーの稀のレビュー・感想・評価

ノーカントリー(2007年製作の映画)
3.5
200万ドルを拾ったら非情な殺し屋から狙われてしまった話。

ガン決まった顔のアントン・シガーの魅力に尽きる。ガスボンベが凶器にもなるし鍵開けもできるしで超便利。その気になれば簡単に入手できそうなのが逆に怖い。終始圧倒的な緊迫感がある。
主人公のモスが二度もベトナムに出兵しており、シガーに負けじ劣らず渡り合うのも面白い。逃げてもあっという間に追いついてくるので中だるみがない。
噛ませ犬が瞬殺されるところは予想していたものの、モスがやられるところまで端折られて困惑した。意図的に不条理感を出そうとしたのは理解できるのだけど、ずっとモスが逃げ切れるかどうかを描いてきたのに、急に主人公が交代して放り出されたような気持ちになった。不条理的な存在にも等しく不条理が降りかかるというオチは皮肉が利いてる。
とはいえタイトルのノーカントリーはまったく意味がわからなかった。
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