埋葬の際に一緒に殺される犬。ヒトのために犠牲になる異種の動物。冒頭に語られる島の風習を最後に思い返して鳥肌が立った。
殺人トリックは爪が甘く、多分に偶然に頼ったものだが、考えた人物の造形を考慮にいれれば然もありなんかなというところ。どちらかというと人間ドラマを見る映画。テンポよく進む前半に比べて、ベテランの演技巧者の甲斐あってそちらはとても丁寧に作られており、感情移入しやすい。
真実を解き明かしてオナニーに耽る探偵もどきとは一線を画して、生存した人間を慮る獅子雄の「0点は俺の方か」という台詞がとてもいい。
監督は容疑者Xの献身を撮った方とのことで納得。派手ではないが良作。
バイオリンはあってほしかったけど笑。