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エンドロールのつづきのpapandaのレビュー・感想・評価

エンドロールのつづき(2021年製作の映画)
4.1
色ガラスやビンを通して世界を見る。そこに光がある。それを一心に見るサマイの表情がいい。映画に魅せられて少年達はその映写の仕組みを自分達で一つずつ見つけていく。その過程のワクワク感。満員の映画館で映画に没入する人達の熱気。たまらないなぁ。この映画の時代って昭和ごろかと思ったら、なんと2010年。サマイ少年は今は二十代中頃かな? その頃インドの地方の映画館はあんなだったのかと驚いた。
そして、厳しいけど優しい家族の姿。お母さんの料理の美味しそうなこと。子供が夢を持ちそれに向かっていく強さを言葉少なく後押しする父の姿。家族っていいなあ。
映画がフィルムからデジタルに代わり、サマイ君にとって宝物だった映写機やフィルムが無惨にも潰されていくむごさ、そしてそれらが新しいものに生まれ変わって世に出ていく流れ。映画も文化もそうやって次の世代へと繋がっていくんだなと思った。サマイ少年は今どうしているのだろう。
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