都合の良い時間に上映が無くてなかなか観られなかったけど映画館で観たい作品だったので逃さずに観られて良かった。
インド版「ニュー・シネマ・パラダイス」という評判で確かに映画愛や人物相関も似てはいるのだけど、本作の方がフィルムや映写機、というより光そのものや動画が仕組みへの偏愛が露骨。
冒頭にパン・ナリン監督が敬愛する映画人の名が掲げられて、劇中でも数多くの過去作オマージュが出てくるのもこの手の映画のお約束だけど、「これはもしかしたらあの映画のアレ?」「よく知らないけど何かの引用っぽいぞ?」という場面が結構入ってて「もう、キリないわっ!」という感じでブチっとフィルムが切れるシーンが何度かあるのは狙ってやってるのだろうな。
そしてこれは監督が生まれ育った時代故の事件だったのだろうけどフィルムからデジタル上映への無情な転換と、フィルム上映機材の行く末が概念では無く物理的に示され、それが意外にもポジティブなラストに繋がる構成がうまいと思った。
あと、ストーリーの重要な要素として主人公サマイのお母さんが作るお弁当が出てくるのだけど、どれも美味しそうだったな😋