海賊K

クレッシェンド 音楽の架け橋の海賊Kのレビュー・感想・評価

4.1
大阪ステーションシネマズでようやく見れた注目作。

イスラエル・パレスチナの混合楽団。
これが二十年ほど前に実際あった話を元にしてるとは恐れ入る。

話の大方は予想できた。相いれぬ歴史認識の中で初対面から変化と先入観をぶつけ合う。互いに民族の憎しみは積もる一方だから致し方ないのかもしれない。

それでも諦めずに向き合い、チームビルディングをするマエストロにも相応の過去が。彼の考えついたワークショップはストレートで、どれもヒヤヒヤものだったが、あれくらいが返ってよかったのかもしれない。思いっきり罵らせること、制限をなるべく設けないこと、一人ひとりに考えさせること。内側の大事なことに向き合ってもらってから、ようやくみんなで音楽を創り出す。

ラストは現代風のオマージュを入れつつも、十分すぎるほど起こり得る愚かさと素晴らしさには胸が常に締め付けられていた。

無限地獄のように感じる世界を代表するバッドスパイラルだけど、これらはホンマに諦めない人たちによって必ず成し遂げられるピリオドであると願う。

イスラエル・パレスチナに希望の光を!
海賊K

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