佐藤克巳

必勝歌の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

必勝歌(1945年製作の映画)
4.5
マキノ正博が草案者、田坂具隆総監督、清水宏脚本、溝口健二、大曽根辰夫、高木孝一、市川哲夫と監督が連なる松竹オールスターキャストの本土決戦に向けた緊張感漂う戦争映画の力作。神武建国以来の危機を提起し、外地前線隊長佐野周二と部下の突撃を前にしての個々思い出の語らい、停車した汽車の雪掻きに出向く村人、小杉勇町会長の防火用水の氷割りと防空壕のやり直し、澤村アキヲの少年飛行兵志願、高峰三枝子の出征者への嫁入り、米軍空爆から地下街に非難した母田中絹代と泣く乳飲子、松竹歌劇団の踊り、実家に帰還した軍人上原謙に赤十字服の妹星美千子が赤十字病院船に米軍が空爆し非難ボートに機銃照射、沈没する船には看護婦が別れに手を振った光景を話し、特攻隊遺族に宴会を催し、遂に佐野の部隊に攻撃命令が降る。その数日後、実際に米軍による東京大空襲があり焼夷弾による無差別攻撃が全土に向けて炸裂する。
佐藤克巳

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