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コーダ あいのうたのれのレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
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タイトルCODAが本当に絶妙。“Child Of Deaf Adults”の略と、楽譜における末尾の独立部分と。ルビーの全てが詰まったタイトルじゃん、、と観終わってから感動してしまった…遅刻を重ねてしまうルビーの「家族と一緒にしか行動したことがないんです」の言葉の重さ。家族モノとして観るならば、愛情と依存は紙一重なのだと思い知らされる。
私も誰かと喧嘩して「崖から飛び降りたら仲直り」とかやりたい。フェルディアウォルシュピーロ、〈シング・ストリート〉以来でめちゃくちゃ好青年になってたな!かなりの負担になりつつなんだかんだ憎めない家族たちも可愛らしかった。“クソ兄貴”なりの不器用な妹への期待と思いやりも素敵。元のフランス版は未見だけれど、昨年の〈サウンド・オブ・メタル〉に続くものもあり、でもまた別視点の葛藤が見えて映画のフェーズが塗り替えられていくなぁと感じる。
にしても、とにかくV先生がよかったな。去年の〈Summer of 85〉を観ていた時も同じこと感じたけれど、家族以外の場所に自分のことを信じてくれる大人がいるって素晴らしい環境だなと改めて思う。とんでもなく面倒見がよくて笑ってしまうほど。「歌は音程や技巧よりも、伝わるかどうかが大切」というのも、V先生の言葉がラストオーディション場面で回収されていて良かった。君の声は伝えられるか?に対するルビーの返答だったってわけね。
あとはやっぱり、しっかり聾者・難聴者の俳優を起用しているところに映画の新時代を感じずにはいられないね……🤟母・父・兄の三人の役者さん、素晴らしかった。
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