『心から音楽を愛する全ての者に捧ぐ』
魂で歌うから、誰かの魂は震える。心は震える。歌う者に伝えたい気持ちがあれば、聴く者にそれ受け取れるアンテナがあれば、きっと音楽は素敵である。
以下、ネタバレを含みます。
とある描写が印象的だった。
耳が不自由な人たちの世界で、ステージを観るシーン。完全な静寂。歌声のもつエネルギーは、この世界では温度すら持たないようであった。その全く別の世界にハッとさせられた。魂が響けば、たとえ音が聞こえない人にも気持ちが伝わるなんて、ただの自分のエゴでしかなかった。
ジャッキーとの思考のずれ。
ステージに上がるルビーを視覚的な美の感覚で応援し、褒める。衣装や化粧。
見て欲しいのは、そこじゃない。自分の歌声が振るわず空気と、観客の心の動き。
そうは分かっているものの、歯痒さを感じてしまう。
しかし、静寂を体験し、ろう者の人たちの視点に立ったことで、時に周囲が見えなくなるジャッキーのルビーに対する接し方も理解できたし、それを受け入れられるルビーの気持ちもよくわかった。
そんな中でも、俯瞰的に物事を捉えられるフランクにはそれが薄くとも伝わっていたのが嬉しかった。
「海よりここは星が綺麗に見れない」
ルビーに対する大事なメッセージ。
ルビーが輝ける場所は、ここじゃないって、魂で伝わった。きちんと震わしていた。音楽が好きなのは、その想いが伝わるから、エネルギーを感じられるから。
他にも沢山好きなシーンがあるんで、軽く感想を!!
初めて、クラスで歌声を披露するシーン。ルビーが心から音楽を愛して、身に任せて歌う姿は鳥肌。ゆっくりと歌声が身に染みて、涙がじわっと込み上げた。
ルビーが愛する家族を守るため、見つけた夢を諦めなければならなくなったシーン。レオは、「家族のために犠牲になるな!俺がいるだろ!」とルビーに示す。
妹想いなレオの、優しい感情を兄としてきちんとぶつける姿がめちゃくちゃカッコよかった!
合唱クラブの顧問、V先生のレッスンシーン。あくまでも生徒を大人として扱い、その人の中をしっかりと見つめようとする姿勢に感動した。でも本当に美味しいとこばっか持ってったね!
🎵サントラトラ
Startman
Yor're ALL I Need To Get By