やや

コーダ あいのうたのややのネタバレレビュー・内容・結末

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

前置きとして、この作品は良い映画だったのは間違いない、と書かせてほしい。
良い映画だとは感じるのに、引っかかることが多すぎて感情の置きどころがないまま終わってしまった。

以下、批判が多いので好きな方には申し訳ないです。


まず前半、下ネタがかなり多かったのが気になった。
家族のオープンさ明るさなどを表すには最善なのかもしれないし好みの問題だけれど、少々苦手。

そして、家族なら当然。愛があれば平気。とルビーへの家族の接し方が終始気になってしまった。
母親が「生まれた時にろう者であってほしかった」と発言しておいて、いざ健常者が生まれたら通訳を雇う事を放棄してルビーをヤングケアラーとして犠牲にし続けてきたこと。
それなのに本人が歌が好きと言った時に反抗期と言い捨てたこと。
家族側は生活音などやめてと言われたことに何も気を遣っていないこと。

ルビーがいないとわかっていたら、漁に出た時もチラチラと周りを意識しないか?(外部からの通信は光って知らせてくれるし)
お兄ちゃんも俺は大人だからお前がいなくてもいいって言ったんだからもっと頑張ってほしい…!
挙句、免許剥奪されてルビーを責めるなんて辛すぎる。

禁止されてる事を知った上で試験会場に忍び込むのも、その行為によってルビーが失格になる可能性を考えないのか…とちょっとモヤモヤ。

と、後半理解しようとしてはくれているけど、あくまで全てにおいて自己中心的なのが見ていて辛かった。
ルビーはルビーで共依存状態のようだから単純に不幸とは言えないかもしれないけれど、第三者として見ていて苦しかった。

父親がルビーの歌をどうにか聴こうとしているシーンは良かったな。
試験で手話を使うことで活き活きと歌うところも(上記の気になる点はあれど)良いなぁと思ったのも事実。
ルビーはどの色の服も似合ってて可愛い。まずお顔がとても可愛い。手話を使った演技も大変だろうに本当に素晴らしかった。


これだけ批判をすると信じてもらえないかもしれないけれど、先に言ったとおり、良い話、良い映画に間違いはないと思っている。
私自身が今までにろう者の人と関わる事が多く、大体私1人だけ聴こえる環境で過ごしてきたこと。知識もある程度あること。その頃の事を思い出しながらで集中しきれなかった部分もあるのかもしれない。

フィクションとわかっていても、ルビーの今後の人生が今までの分を取り返せるくらい自由であることを強く強く願ってしまう。
やや

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