KOUSAKA

おニャン子・ザ・ムービー 危機イッパツ!のKOUSAKAのレビュー・感想・評価

3.8
『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』や『3年目のデビュー』に(意外にも)胸を震わせてしまった身としては、この作品も見ないわけにはいかない(?😆)ということで、国立映画アーカイブで開催中の企画上映「1980年代日本映画――試行と新生」にて鑑賞してきました。

自分が10代を過ごしたからというわけではありませんが、80年代の日本映画が最近すごく好きで、街の風景や当時の若者たちの佇まいを眺めているだけでも楽しくなりますし、当時の日本映画のイケイケ感や悪ノリ感も大好きです。

そういう意味では、この作品も「悪ノリ」と「熱狂」と「涙」で構成されていて、最近のお行儀良い映画にはないカオスから生まれるグルーヴ感がたまりませんでした。

実際のコンサート映像やレコーディング風景、ラジオ番組収録や控室でおしゃべりしている姿など、おニャン子クラブのメンバーが登場するシーンはほぼドキュメンタリーで、それらの合間にドラマシーンが半ば強引に挟み込まれていくわけですが、最終的には見ている観客をねじ伏せるパワーがある作品だと思いました。

個人的にはリアルタイムの時からおニャン子クラブに興味はありませんでしたが、ザ・ベストテンとか夜のヒットスタジオなどの歌番組を見るのは大好きだったので、この映画で流れる楽曲はほとんど聴いた覚えがあって、自分でもビックリしました。

まあ、とにかくコンサートシーンの熱狂がすごい😵改めてこんなに人気があったんだな~と再認識させられましたし、音楽そのものはもちろんのこと、メンバー5人の卒業が発表されるシーンで巻き起こる観客の悲鳴とも怒号ともとれるような「声のかたまり」の迫力は凄かったです。大きいスクリーンと大きい音で体感することが出来たのはラッキーだったと思います。

おニャン子クラブのメンバーが登場するシーン以外のサイドストーリーも、公開当時は「余分なシーン扱い」されて不評だったようですが、今の目で見ると結構大物俳優やタレントが脇をがっちり固めていて、いちいち見どころがありました。

敏腕マネージャー役(?)の桃井かおりや、危険思想に走る熱狂的ファン役の関根勤は、文句なしに最高でしたし、福島の片田舎からコンサート会場の横浜スタジアムまで何日もかけて長距離マラソンで向かおうとする(途中に写る山や川の風景の美しさもみどころ)2人の青年役の宮川一朗太と江口洋介も、あどけない朴訥さと年頃の青年のカッコよさの両方を持ち合わせたキャラクターで、なかなか素敵でした。

あと闇のシンジケート😆みたいな組織の女性リーダーパピヨン役の今井萌という女優さんも、パンクファッションが完璧にキマってて、めちゃくちゃカッコよかったです。

総じて自分は十二分に楽しむことが出来ました。今の「坂道」ファンの人が見たら、きっと面白いのではないでしょうか。
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