このレビューはネタバレを含みます
単純に映画としての完成度が高かった。
本来映画内での説明が必要になってくる呪術や登場人物についての情報を、アニメで事前に説明できてたというのは映画的にはチートだと思う。
ただその分、映画のために充実させる必要のある描写やアクションが徹底的に追求されていたのが良かった。
アニメシリーズを観ていると尚楽しめるが、観てなくても十分成立するエンターテイメントになってると思う。
また、映画の主軸が一貫してブレる事がなかったのも映画としての完成度が高かった理由の一つかも。「乙骨の愛と成長の物語」というテーマが太い一本の軸として映画の最後まで貫かれてた。夏油の百鬼夜行テロも、付け足しじゃなくあくまで乙骨を計画の主軸に置いたものだったし。
そこにアニメシリーズで登場したキャラの見せ場をうまく盛り込んでいた印象。
軸がぶれないの大事よね。テーマが一貫してるから余計なノイズがなく安心して観れるし。軸がぶれてよく分からん事になる映画は沢山ある。
アニメシリーズより呪術のルールや用語などが難解じゃなくシンプルだったのも映画に入り込めた理由かも。アニメシリーズはそこらへんが早い上に難しくて、字幕を出してようやく理解できる感じだったが、今回は字幕なしでも十分理解できた。
夏油のバックボーンを始めとして、アニメではふわっと描かれていたり掘り下げられてなかった情報も盛り込まれてて、オマケじゃなくちゃんと映画が本編に不可欠な存在になってるのも◎
アニメシリーズに引き続きアクションシーンも見応えのあるものが多く、しかも今回はアニメより派手なアクションも多かったので楽しめた。
アニメで良かったアクションシーンを漫画で読んで見ると密度の差に肩透かしを喰らうこともあり、呪術廻戦は漫画で読むよりアニメで見るほうが僕は楽しめる。
全体の映画としての完成度は高くて人にもおすすめできるものだったと思う。
ただ唯一あるとすれば、アニメ特有のギャグパートが好みじゃなかったかも。入れなければいけないものなんだとは思うが、一気にアニメ臭さが強くなる。
あと声がシンジくんでずっとエヴァの新作観てる気分になったわ
