Wata

隔たる世界の2人のWataのレビュー・感想・評価

隔たる世界の2人(2020年製作の映画)
3.9
"どれだけ時間がかかっても、何度繰り返しても…"

黒人差別の問題をこんなにもポップなエンタメとして描けるとは!
その明るさゆえに、作品に込められた純粋な皮肉と強いメッセージがストレートに入ってくる…!

とにかく終始明るくて、オシャレで、最高にシニカル。
BLM×タイムループ!


アカデミー賞短編実写映画賞ということで鑑賞!

アカデミー賞って、政治色強すぎてもプロパガンダとして批判されるし、かと言って世の中の情勢を無視すると、それはそれで批判されるしですごく難しいですよね。

その中でメッセージ性ありかつエンタメ性のあるこの作品は、すごく賞を与えやすかったのかな、と思ってしまったりしますが、それを抜きにしても純粋にすごく面白かったです!



主人公の黒人男性がループを繰り返す度に、どんどん理不尽な死に方をするので笑ってしまいますが、これが本当に起こっている出来事。

白人と黒人の理解が深まらないのが原因で、両者の対話がループを抜け出す鍵なのかな?と思っていたので、白人警官との対峙のシーンは痺れました…!

BLMは、相互理解なんて簡単なベクトルの問題では無いのですね。

ラストの前向きさも最高に諷刺効いてて秀逸でした。


自分の身に危険が迫っていないのに引金を引いてしまう。
BLMは根深いです。
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