いたがきます

コットンテールのいたがきますのレビュー・感想・評価

コットンテール(2022年製作の映画)
4.5
「追憶」という言葉が結構相応しい映画なのでは。
映画の中でこの「憶」を「追」いかけるのだが、それがcottontailというタイトルと何度か重なっていく。
「追憶」というと過去にとらわれているようなイメージだが、リリーフランキー演じる兼三郎は次第に家族の在り方(未来)にも向き合うことになる。

登場人物は絶えず感情が揺らいでいるが、それがイギリスの幻想的な景色と噛み合っており、情景描写が上手い。ロードムービーが活きてる。
またそれを演じきれるメインキャストもさすが。
それぞれの表現が優れていたためセリフが極めて少なく、邦画では中々観られないタイプの映画で嬉しかった。

ストーリーは予想通りだったが、これほど感傷的な映画ではむしろ予想外の展開があってもノイズでしかないのでまる。
いたがきます

いたがきます