滝井椎野

ゆるキャン△の滝井椎野のレビュー・感想・評価

ゆるキャン△(2022年製作の映画)
4.3
大人になってしまったのだな……という胸を締め付けるような感慨に終始耽ってしまった。

キャンプ場を作るということで、勝手ながら『フィールド・オブ・ドリームス』的な映画なのだろうか……? 等と想像していたのだが、勿論予想は外れた。
ゆるキャンの魅力であるキャンプ描写や、食事描写、キャラクター造形等は相変わらず素晴らしく、キャンプ場を作るという本編にはない一本通ったストーリーがあるお陰でより没頭して観ることができた。
学生から社会人になったことで、いろいろな部分が既にゆるくはなく、がちキャンとタイトルを変えてIFストーリーとして本編と並行してやっていけば良いのではないか……等と愚考するがいかがだろうか。
今回、メインであるキャンプ場制作過程が凄く、ちょっとした公園を作るくらいなものだと思っていたのだが、まさかあそこまでガチなものを作るとは……。間違えて劇場版鉄腕ダッシュに入ってしまったかな? と思ってしまったほど。途中の遺跡発掘シーンなんかは、学芸員課程を履修した身としてはなかなか面白く、その後の結末も良いところに落ち着いたな……と思った。
本作、いくつかの胸熱ポイントがあるのだが、個人的にはリンちゃんの愛機ビーノの登場だろう。今乗っている機体の代役を旧機体が務める展開はトップガン•マーヴェリックを彷彿とさせ、テンションが上がった。
これで終わるのはあまりにも寂しいので、是非とも何らかの形でゆるキャンシリーズ続けてほしいものである。

本作、何となく面白かったのが、最初リンちゃんが廃墟を探索するシーンはBGMが違えば普通にホラー映画としても観れるように出来ており、どこかに映ってはいけないものが映ってないか、聞こえてはいけない声が聞こえないかと神経を研ぎ澄ましてしまった。
滝井椎野

滝井椎野