ミミズ式SGキネマ倶楽部

シン・仮面ライダーのミミズ式SGキネマ倶楽部のネタバレレビュー・内容・結末

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

17日午後7時、最速上映こそ逃したもののその次の回の席を取る事に成功。鑑賞してきました。結論から言いますと、本作は庵野作品の中でもワースト候補に挙げられるといっても過言ではないでしょう。


序盤のクモオーグ戦がピークといっても過言ではなく、後に続くのは演技をしない(させてもらっていない)役者陣と専門用語を羅列するストーリーです。物語中盤以降で浜辺美波こと緑川ルリ子が亡くなるのですが、全く感情移入できず、遺言をおさめたビデオメッセージもなんだか古臭くて見てられませんでした。そんなわけでそのあと迫真の涙を見せる池松壮亮の姿を観てもちっとも心に来るものはありませんでした。


じゃあアクションはどうなのというと、こちらもまた微妙です。下手なCGで作られた怪人、仮面ライダーの動きは人形にしかみえずチープな印象を抱かずにはいられません。

そして見せ場であるショッカーライダー戦はトンネルの真っ暗な中での戦闘で、暗くて何が起きているのか全く分からず、いつの間にかショッカーライダーたちがやられているぞという感じです。最終決戦の仮面ライダー0号ことチョウオーグ戦は00年代前半かと思うほどカメラをグラグラと揺らし、観ているこちらに吐き気を催させます。(そしてケリの付け方もよくわかんないし。)


良いところをあえて挙げるとすると、思ったよりも怪人が多く出てきていること。仮面ライダーの衣装デザインは非常に良く、画面に出てきているだけでも華があります。逆に言うとそれくらいですかねぇ。あとラストがサイクロン号とマスクが初代新1号をイメージされていたのもまぁ良かった点ではあります。(最後観ている時点でテンションはダダ下がりなので、あまり上がりませんでしたが。)



総じて、つまらなかったです。

庵野監督らしい何か新しいルックが出てくるわけでもなく、庵野監督の悪いところである専門用語の羅列や役者に演じさせないというところが出てきてしまっています。池松壮亮と柄本佑という若手俳優の中でも演技力の高い二人を用意しておきながらのこの始末なので、もったいないの一言です。それでも庵野監督の最新作だからという事で見届けたいのであれば、劇場で鑑賞することをおススメします。