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シン・仮面ライダーのシネオのレビュー・感想・評価

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
3.5
石ノ森章太郎先生の原作は、少年誌の掲載でありながら、読者を子供扱いしない作家性に溢れてましたね。だから初代のTV版は、もしかしたらご本人の意に反していたのかもしれない。

だからこのリブート版仮面ライダーは、PG12のリアリティで、石ノ森先生のやりたかったことを再現したんだなぁと思いました。50周年で1号ライダーにスポットを当てたのは必然ですね。

そんな初代ライダーの世界観を忠実に表現しているのは好感。もうね昭和のチープな雰囲気にBGM、空中回転とキックの画角、効果音の一つ一つも当時モノそのままで、ニヤニヤが止まらない。子門真人さんのテーマ曲もサイコーだし、オマージュがこれでもかと盛り込まれて嬉しくなります。

シンシリーズのフォーマットである現代版への変貌は、コスチュームやサイクロン号で見事に成功してました。原作にはないロボット刑事Kのような脇役キャラも、リスペクトなのかな。池松壮亮さん、浜辺美波さん名演でした。驚くキャスト起用も楽しめます。

けど残念だったのは、お話が適当で展開が雑(笑)その上要素を詰め込みすぎて、説明的なセリフも長い。狙いなのかVFXも驚くほどチープだし、内容がイマイチでした。原作で描いていた本郷猛の、昆虫人間と化した苦悩と葛藤も掘り下げて欲しかった。全ての人物描写が薄すぎて、物語に入れなかったなぁ。

とはいえ、初代仮面ライダーにスポットを当て、石ノ森章太郎先生の才能を世の中に再認識させてくれた功績はとっても大きい。キャストが実際に書いたらしい、サイン入り色紙は大事にしまーす😊
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