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シン・仮面ライダーのシのネタバレレビュー・内容・結末

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

予備知識ほぼゼロで観た 池松壮亮が好きなのでけっこう前から作品のことは認知してたけど、仮面ライダーを全然知らないので少し不安だった。最初はやや置いてかれたけど、観てるうちに結構引き込まれた。
庵野監督の特徴なのかそれとも設定が非現実的だからなのか、セリフがなんか固くてぎこちないと思ったけどそれはそれで良かった。
声でわかった大森南朋が最後まで顔出なくてびっくりした。エンドロール見て他にも声だけの人いてびびった
悪と戦う正義のヒーロー!という輝かしい雰囲気は全然なくて、わりとずっと暗くてシリアスな感じ。そうか、仮面ライダーって"戦隊"というイメージがあったけど元々原作は1人で、体改造されて、主人公孤独なんだよなーと思った。
森山未來、良すぎ ダンサーだからなのかそういう指示なのか体の動きの魅せ方が指先まで徹底されててヤバかった ずっと見てたい
有名な仮面ライダーの曲がアレンジされててそれが陰鬱とした空気を打ち破ってバーンと入ってくるのがインパクトあってめちゃくちゃ良かった
カメラが遠くからギューンと寄る感じとか昔の特撮っぽい!と思った

死んだら泡になって消える(同化する)というアヤフヤな死の描写のわりに暴力シーンでは過剰な量の血糊が使われてて、その対比によって「死ぬとは、殺すとは、個人の幸せとは、その命を奪うとは…」という問いがグルグルしているような感じだった。人類全員で幸福になるには肉体を捨てて全ての魂を完全一体化させる…というのは全然間違ってなくてむしろ目的を幸福に絞った場合では全くその通りだと思う、けどそれにかなりの抵抗を覚えるということは、人々は皆一切の苦しみのない場所へ行きたいと願っているんじゃなく(死にたい時は思うかも)、本当はただ地上で重力に従って、ただただ生きたいんだな、というシンプルなことを思った 個体というものは、自分というものは、やっぱり自分にとって1番大きく強固な存在でしかない。
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