「50年前にテレビ番組から受けた多大な恩恵を、50年後に映画作品という形で少しでも恩返しをしたい」
と庵野秀明は語るが、これは建前だな。どう見ても、仮面ライダーを題材にした作家性の発露であり、実質は(卒業したはずの)エヴァンゲリオン実写化。シン・実写作品の中でダントツに庵野度が高い。その作家性を読みとる面白さが、本作最大の見所なので、ライダーとエヴァの両方を見た人でなければ、ほとんど楽しめないのでは。
ロケーションと構図は素晴らしいので「止め画」の完成度は高い。だがアクションが適当すぎ。画が動き出すと、とたんに品格が下がる。実写には「作画監督」がいないからな(笑)。
藤岡弘にコメントすら求めない完全黙殺には同意。