くずみ

曽根崎心中のくずみのレビュー・感想・評価

曽根崎心中(1981年製作の映画)
4.0
実景の中で文楽人形が生きているよう。通常の客席からの見え方とは異なる、人形自身の視界を思わせる角度からの映像が新鮮。天満屋で床下から見上げる徳兵衛と、二階から見下ろすお初など。メイキングがあったらすごく面白そう。

身を震わせるお初の可憐さ。「覚悟の顔」で迷いを断ち切る徳兵衛。ヒトの手を離れた文楽人形の、死体=モノ感にはいつも胸をつかれる。主遣いは先代玉男と簑助の名コンビ。頭巾の中は今の◯◯さんかな〜と想像するのも楽しい。
当時の織大夫・呂大夫の勢いある語りもよく、字幕無しでかえって集中して聞けた。
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