くずみ

天守物語のくずみのレビュー・感想・評価

天守物語(1995年製作の映画)
3.5
「すずしい言葉だね」
鏡花の台詞はうたってこそ。その点舞台役者が有利だが、宍戸開も真っ直ぐに健闘。
アップを多用せず、玉三郎の全身の優美さを押し出しているのがいい。南美江の薄と島田正吾の桃六が記録されたのはありがたい。

とはいえ、舞台と映像では魔法のかけ方が違う。1990年代中頃の技術での幻想譚を2024年に見るのは苦しい。2009年上演の舞台を元にしたシネマ歌舞伎では、どう仕上げているのだろう。
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