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そして、バトンは渡されたのAPACHEのレビュー・感想・評価

そして、バトンは渡された(2021年製作の映画)
3.6
【そして、バトンは渡された】感想

DVDで観賞🎞

血のつながらない親の間をリレーされ、これまで4回も名字が変わった優子。現在は料理上手な義理の父・森宮さんと2人で暮らす彼女は、将来のことや友だちのことなど様々な悩みを抱えながら、卒業式にピアノで演奏する「旅立ちの日に」を猛特訓する日々を送っていた。一方、夫を何度も変えながら自由奔放に生きる梨花は、泣き虫な娘みぃたんに精いっぱいの愛情を注いでいたが、ある日突然、娘を残して姿を消してしまう。

第16回本屋大賞を受賞したベストセラー小説の映画化。

複雑な家庭環境が子どもに悪影響を与えるってよくあるけど、そんな迷惑な話を無償の愛情で跳ね除けた展開に無理を感じる箇所が多いけど、綺麗な心の人たちばかりなら真逆の影響を与えることができるというお話。

親がコロコロと変わるも悲観的にならず、グレなかったみぃたんが逆に心配になったけど、「笑っていれば、いろいろなラッキーが転がり込むの」という魔法の言葉に、何が起きたかよりも、これからどうするかなんだなという「次行ってみよう‼︎」的な展開は良かった。

子どものためには全てを投げ打って、それだけに全集中することができる女性の本質と、血がつながってるかどうかに関わらず、それぞれの親の優しさに心打たれた。

丁寧に伏線が張られすぎて後々の展開が完全にわかってしまったので、前評判ほどは響かなかったし、伏線張り放題の後半回収ラッシュも、驚きや感動が薄くなってしまった。

永野芽郁ちゃんもいい役者になって来たし、奔放な母親役の石原さとみが物語全てを明るく照らし、どんな役柄もこなしてしまう懐の深さが素晴らしかった。

ただ、岡田健史が【死刑にいたる病】とは別人の弱さだったのが残念。
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