シミステツ

そして、バトンは渡されたのシミステツのネタバレレビュー・内容・結末

そして、バトンは渡された(2021年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

綺麗な裏切りと伏線回収が印象的な家族の愛の物語。二幕構成になっていて、最初は梨花のトンデモぶりが徹底的に描かれる。自由奔放で、服に散財し計画性もなく、ふらふらと男を取っ替え引っ替えしていく様はもはや毒親だったし、みぃたんがとても可哀想に思え、中盤までずっとイライラするような人間だった。

冒頭のわざとらしい人物紹介もいい伏線にもなっていて、みぃたん=優子というのは何となく前半の織りなされるストーリーから見えていたけど、梨花が実は子どもができない身体で子どもがほしかったこと、病気のため海外に行くことは反対したこと、とにかく優子の幸せのためだけを思って、ピアノさえ弾かせてあげられればという思いで様々な男性の元を頼っていったことなど。途中2ヶ月行方不明になったのも病気のためだろう。観終わる頃には梨花のことも許せるようになる不思議さがある。

ここの梨花のギャップを引き立たせるために周りの男性陣はひたすら善人である必要があったし、それが前半どんなに梨花がヤバくてもギリ溜飲を下げられる要因でもあった。森宮さんや富豪(市村正親)のやさしさ、たくさんの「親」の愛情をもらうことでみぃたんが育ってきたんだね。

「やっぱり私たち、ふたりでロッシーニになろ」

「笑っていれば、ラッキーが転がり込む」