いちごあんこ

そして、バトンは渡されたのいちごあんこのネタバレレビュー・内容・結末

そして、バトンは渡された(2021年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

めちゃくちゃ泣いた。
優子ちゃんより泣いた。笑

■ストーリー
ひとりっ子である優子の親は死別・再婚・離婚を繰り返し、2人の母親と3人の父親がバトンを繋いでいく親子の絆を描いた物語。
小学校低学年のときに唯一血のつながった父親はブラジルに行って離れ離れになり、血のつながっていない母親リカに育てられた。
ブラジルの父親に手紙を書き続けるも、返事は来なかった。
ある時、ピアノ教室に通いたいという優子の願いを叶えるために、リカはピアノを置いた豪邸に住む泉ヶ原さんと再婚する。
しかし気まぐれなリカは泉ヶ原さんの家を出ると、東大卒の森宮と再婚した。
しかし優子が中学生になるとリカは家を出て消息不明となった。
優子が大学を卒業し、早瀬との結婚を考えていた頃、突然リカから送りものが届いた。
幼少期、ブラジルに行った実の父親からのたくさんの手紙だった。
当時リカはお互いの手紙をお互いに渡すことができずにいたのだった。
優子は結婚の挨拶をしに、これまでの親巡りをした。
そんな中、優子はリカの訃報を知る。
これまで病気を隠して元気なふりをしていたこと、優子を思って家を出たことなど、初めてリカの本当のことを知った。
優子と早瀬の結婚式には、全員の親が参列した。
森宮は式で優子をエスコートし、早瀬にバトンを繋いだ。

■感想
こんなに複雑な家庭環境で育ったのにも関わらず、優子が120点の良い子に育ったのがすごい。
本当の愛を見失いそうな状況なのに、どの親に対してもわがまま言ったりせず気をつかうなんて優子は優しくて強い子だと思った。
リカをはじめ、全ての親から精一杯の愛情を受けたからなのだろう。

そして父親3人の心の広さにも感心した。
特に泉ヶ原さんなんか、お金目当て(ピアノ目当て)でリカが近づいてきたのは明らかだったのにこんなにも広い心で受け止められるのかと驚いた。
良い人しか登場しない映画なんて珍しい。
高校の卒業式で優子がピアノを弾く姿をこっそりリカが見ていたところが良かった。リカの愛情が報われた瞬間でもあった。
優子はたくさんの親から愛情を受け、そしてたくさんの親を幸せにした。