滝井椎野

ミラクルシティコザの滝井椎野のレビュー・感想・評価

ミラクルシティコザ(2022年製作の映画)
4.1
ネオン煌めく妖しくも熱気に包まれた過去のコザと、平和ながらも時間が停滞してしまっている現在のコザ、そしてそれぞれの時代を生きる登場人物たちの対比が効いており、それら全てが交わり未来への希望を歌い上げるラストのライブは見事。
割りかしベタな展開の連続ではあるのだが、決してそれが悪いわけではなく、しっかり感動出来て、しっかりと熱くなれる。
この作品をみるまでコザ騒動というものを、お恥ずかしながら知らなかったのだが、当事者でないと本当の意味での怒りや苦しみは分からないと思う。それでも台詞の節々にドキッとさせられ、考えさせられる。それを自分と同じ立場の主人公翔太の目線で見て、考えて、ぶつかるからこそ共感し、最後のカタルシスへと繋がる。
ロックンロールはただの歌じゃなく、想いは受け継がれていく。爺さんたちも格好良かったが、孫世代もロックだぜ! と思える素晴らしい作品だった。
滝井椎野

滝井椎野