Jun潤

映画 五等分の花嫁のJun潤のネタバレレビュー・内容・結末

映画 五等分の花嫁(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

2022.05.25

劇場版公開ということでテレビシリーズ1期2期を初めて一通り視聴してからの鑑賞です。
ちなみに四葉推し。

まずテレビアニメ版の感想から、中身を見ずにパッと見のイメージだけだと、よくあるハーレム系のラブコメだろ〜と思う方も多いかも。
風太郎と五つ子の出会いや関係性の深め方は少々無理矢理でしたが、それを補って有り余るほどにキャラの魅力が強い。
学園ものの王道を外さずイベントなどでストーリーに緩急を付け、五つ子×ラブコメだからこその伏線回収要素も盛り込む贅沢仕様。
修学旅行編でテレビ版は終了し、まさかまさかの続編は劇場アニメ化。

キャストも主人公の風太郎役に松岡禎丞を据え、花澤香菜竹達彩奈伊藤未来佐倉綾音水瀬いのりと実力容姿共に申し分ない超豪華キャストを揃えているとなれば、アニメファンは乗らないわけにいかない、このビッグウェーブに。

ひょんなことから超絶勉強ができない中野家の五つ子の家庭教師となった風太郎。
同じ顔をしているのにそれぞれ個性が強く、なかなか打ち解けることができない。
しかし、一人一人と対話し、気持ちを通じさせることで徐々に打ち解け始める。
五つ子同士の関係、風太郎への好意、風太郎自身の五つ子への想いと、特別な人への想い。
数々の幸福と苦難を共に過ごし、風太郎たちは高校生活最後の学校行事・学園祭の日を迎える。
学園祭で、風太郎は重要な決断をし、五つ子はそれぞれの気持ちに決着をつけることとなる。

はぁ〜〜エッッッモかっっっった〜〜〜〜!!!!!
そして早速ネタバレを!我が推し、四葉おめでとう!!!!

コホンッ物語としては、テレビアニメで描かれた風太郎と五つ子たちの物語の完結編。
今までのハーレムものといえば、有耶無耶になったり、運命の人を選んだり、ヒロインがなんやかんやで勝ち上がったりと、なかなかファン全員が納得のいく形には仕上がりにくいもの。
まぁ言ってしまえば、今作の結末にも納得のいかない人や涙を飲んだ人もいるでしょう。
しかし他作品と今作を比べて、抜きん出ている点としては描写の張り巡らせ方でしょう。
突然の出来事で無理矢理くっ付けるものではなく、細かい台詞や場面から個人回で積み重ねてきた描写を回収して描かれた結末には、ケチの付けようがありません。
四葉以外の子についても、救いというか、それぞれの想いへの決着という点で、報われたものとして受け取れます。

学園モノとしても、大人が見ると懐かしんだり羨んだり、色んな感情が湧いてくる作品です。
五つ子それぞれに個性、感情、抱えているものがあり、それぞれの視点を通して、メッセージ性も込められていました。
立場に関係なく自分の好きを貫くこと、義父への感謝、時には遠慮しないことの大切さ、支えてくれる人の愛情、過去との訣別。
5人全員がヒロインの立場を確立していたからこそ、5倍の感動を生んでいます。

若干終盤が詰め込み過ぎでしたね。
原作にある展開ならば必要なことでもありますが、一本の作品としての完成度も考慮すべきことのはず。
アニメの道は険しく果てしないものです。

風太郎は四葉を選んだ。
四葉は姉妹は5人で一つであることにこだわり、自分のせいで5人がバラバラになりかけたことを抱え、自分だけが特別であってはいけないと拒む。
5人揃って一人前であり、5人それぞれが1人の人間で、人間には突出したものもあれば足りないものもある、その隙間を埋めるのが夢であり愛情。
5人で一つだった五つ子はそれぞれの道へと進み、それぞれの幸せで隙間を埋める。
五つ子に、ありがとう。
四葉に、幸せあれ。
そして、風太郎に、おめでとう。

歳を取ると恥ずかしくてアニメを見ることも愛情について考えることも少なくなりますが、偶然同日に観た『ハケンアニメ!』とリンクさせて、今作もまた制作者たちの熱い情熱がこもった作品です。
情熱を受け取って、愛情を感じる体験は、人が作ったものに触れてこそできる。

(スコアは“四”葉だけに…笑)
Jun潤

Jun潤