さすらいの旅人

決戦は日曜日のさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

決戦は日曜日(2022年製作の映画)
3.7
「地盤、看板、カバン」の壁は破れるのか?
【VOD/WOWOWオンデマンド/配信視聴/ビスタサイズ】

この映画のリアルでコミカルなシナリオは素晴らしい。
選挙の裏舞台を過去の実話を入れて描いたもので選挙アルアルの集大成と言える。政治映画に興味が無い方にも分かり易く、しかもコメディータッチで描いているので抵抗はないだろう。

最近のSNSを利用した選挙合戦は、大袈裟に描かれているがプラスにもマイナスにもなる点は納得できる。スキャンダルをSNSで発信しても逆に炎上して人気に火が付くシーンなどは今風の事象だ。そして、国際的大事件が発生するとマスコミはスキャンダルをスルーして封印する事などもリアルだった。さすが、監督がシナリオに5年かけただけある。

のほほんとした秘書役の窪田正孝と病弱の父親から議員を引き継いだ娘役の宮沢りえは好演だ。二人のバカなセリフの掛け合いは面白いし、たまには切なく感じる。そして、周囲を固める芸達者な役者たちの演技もいい。セリフの間の使い方や抑えた演技がかえって面白く感じるから不思議だ。

あと、宮沢りえの真っ赤なドレスは存在感があり、インパクトがあって良かった。