亡くなった同性パートナーの家族の面倒を見る理由を問う検察官に対し、「もし僕が女性だったら、（夫が亡くなっても家族の面倒を見続けるはず）そんな質問をしますか？」と問い返す主人公のリン・ジエンイー。しかし、この映画は同性愛者への差別や偏見を糾弾する映画でありません。
面倒を見ていた義母の死の真相をめぐるミステリーとして映画は進みますが、そこで描かれたのは疑似家族が本当の家族になっていく過程であり、同性愛者カップルでもストレートと同じように家族を持てるのだという当たり前の事実でした。
ことさら性的少数者を悲惨に描き抗議を受け、「エンタメだから」と開き直った監督がいましたが、そんな表現法をとらなくても、この映画のように穏やかに感動を与え理解を深める映画もあるのにね。
南国のイメージが強い台湾ですが、山地の美しさも印象的な映画でした。
