さやか

恋の病 〜潔癖なふたりのビフォーアフター〜のさやかのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

雨の音がする。
「理解できる人がいるなんて、思いもしなかった」。受け入れてもらえる。それだけで、あれほど絶望して、諦めていた欠点が二人を繋ぐ絆に変わった。一人きりだった世界が、広がって色づいていく。願わくば、この関係がずっと続きますように。ありふれた約束が、こうも心に食い込むなんて。
唐突に訪れた“普通”の暮らし。待ち望んでいた日々はあまりに鮮やかで、二人の形を強く否定していく。立場が入れ替わっても、向かう結末はきっと同じ。運命と呼べるほどの出会いだからこそ、致命傷になってしまう前に。
永遠なんてない。容易く、重く、「ずっと」を願ってはいけない。雨が止んで、いつか晴れたとしても、肌を濡らした冷たさを心は覚えている。
さやか

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