叡福寺清子

ベネデッタの叡福寺清子のレビュー・感想・評価

ベネデッタ(2021年製作の映画)
4.0
神から語りかけられ,聖痕が顕現した女性の物語をバーホーベンが?と予告初見で訝った三遊亭呼延灼です.こんばんわ.

ですが,蓋を開けてみれば,いつものバーホーベンで安堵したと同時に,疑った自身を恥じたわけでございます.権力に中指立てる姿勢と性への賛美は,歳を重ねても健在なのでございます.
権力といえば,修道院長のシャーロット・ランプリング.顔の筋肉の動きが最小なのに,誰よりも感情豊かってすごくないですか.ひた隠す表情の奥に溢れる激情.でも,それが後半になるにつれ表に出てきます.「すべてうまくいきますように」では鬱病患者の役柄で出番も少なかったのですが,本作では堪能できます.いい塩梅です.

いい塩梅といえば裸体.さすがバーホーベン兄貴.わかってらっしゃる.とはいえ一つ疑問があって,17世紀にはすでに脇毛剃ってたのかしら.