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ベネデッタのharuのレビュー・感想・評価

ベネデッタ(2021年製作の映画)
4.0
ベネデッタの奇蹟。

17世紀イタリアのペシア。6歳でテアティノ修道院に入ったベネデッタは、幼い頃から数々の「奇蹟」を連発し、ついに修道院長に就任。しかし一部の人間からは、その「奇蹟」に対して疑惑の目が向けられていた。その頃イタリアではペストが流行し、ペシアにも危機が迫っていたが…

実在した修道女ベネデッタ・カルリーニの半生。自称「イエス様の花嫁」であるベネデッタが、幼少期から培った強烈な思い込みと民衆を魅了する演出力で、男社会をのしあがっていく話。全く神々しくないイエス様が登場したり、マリア像の使い方がマズすぎたりで、これはキリスト教団体からキレられちゃうのもしょうがないね的な内容。つまりめっっっちゃ面白かったです。
果たしてベネデッタはガチの聖人だったのか?という点はさておき、彼女が数々の奇蹟をプロデュースしたのは、彼女自身が本気で神を信じ、自らの使命を果たそうとしたからに他ならない。自分にしか聞こえない「神のお告げ」をわざわざみんなに伝えてあげるために、ベネデッタは自らの手足に穴を開け、「復活」を遂げ、火あぶりの刑になる。こうしてファンを増やして実権を握ると、ペスト対策や元上司の使い方など合理的な判断を下し、それが結果として自身を含めて多くの命を救うことに。つまり彼女はとても優秀な人材なのです。
だからこそ時には嫉妬され、裏切られ、批判されることもあります。そんなときには「オマエラ目を覚ませ!それは神に対する冒涜だ!」と呪えば解決。
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