けんぼー

べイビーわるきゅーれのけんぼーのレビュー・感想・評価

べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)
4.2
2021年鑑賞118本目。
なんなんだこの映画は!?
続編へのポテンシャルを大いに秘めた、新たな「日常系シスターフッド殺し屋アクションコメディ」映画。

まずなんといってもアクションシーンの素晴らしさ。
特に主人公の一人「まひろ」を演じる「伊澤彩織」による、男性にも全然引けを取らない本格アクションが超見どころ。序盤のコンビニ内での対複数人のバトルからすごくて、その時点で心を掴まれた。

「こりゃすげえアクション映画や」

そう思った矢先に始まる、「髙石あかり」演じるもう一人の主人公「ちさと」とまひろのグダグダ日常系物語。

「え?なんだこれは、、、、」

私はとんでもない作品を見ているということにこの辺で気づきました。

その後も続くまひろ、ちさとのなんでもない日常。バイトの面接に落ちただの、人間関係がうまくいかないだの、些細な心のすれ違いによるケンカだの、、、。
冒頭のアクションからはかけ離れた、あまりにもごく普通の若い女性のどうでも良い日常。
そしてそこに急に挟まれるバイオレンスとアクション。

「ゆるさ」と「激しさ」、「軽さ」と「重さ」がミルフィーユのように重なりながらも、それ自体が一つのものとしてちゃんと成立していて、「まろやか」な口当たりになっているという不思議な感覚。

「なんなんだこの映画は、、、、すごすぎる!!」

ここまでジャンルレス、というかジャンルの括りが難しい作品は私の経験上では見たことがありません。

そしてただ様々なジャンルが入り乱れているだけではなく、それぞれのクオリティが高い。

「殺し屋」映画としては、「殺し」を「仕事」として淡々と描く感じがリアルで現代的。
「日常系」映画としては、女子の普段の生活や感性がこれまたリアルで現代的。
「シスターフッド」映画としては、主役二人の「恋愛感情」とはまた違うけど、境界線が曖昧な関係に萌える。
「アクション」映画としては、最近の邦画アクションの中で間違いなく上位、いや、トップに君臨するクオリティ。銃の構え方などもリアルで素晴らしい。
「コメディ」映画としても、笑いのツボを押さえた、自然でシュールな笑いどころが満載。

やられたよ。こんな映画見たことないよ。

個人的に「カメラを止めるな!」「アルプススタンドのはしの方」を見た時に感じた、「邦画の可能性」をこの作品でも感じました。

まひろとちさとの物語をまだまだ見たいし、まだまだ続けられるポテンシャルを秘めています。

もう、予言しちゃいます。

絶対に続編が制作されるでしょう!!
てか、してください!!

公開館数が少ないですが、近くの映画館で上映されているのであれば必ず見たほうが良いです!

2021/9/12鑑賞