風来坊

囚人ディリの風来坊のレビュー・感想・評価

囚人ディリ(2019年製作の映画)
3.5
世界マーケットを意識しているのか、インド映画も変わりつつあるのか分からないが「ガネーシャ・マスターオブジャングル」もそうでしたが、本作もインド映画では珍しく歌と踊りがありません。その変わりか伴奏みたいな音楽は流れますけど。

時間的に猶予が無いって言っているのに、随分と悠長に構えていて緊張感がない…。コメディ調なのかシリアスなのかハッキリしない所がちょっと好きではないかな…。余計な問答が続くしテンポは良くないです。

怪我している設定なので仕方ないですが、隊長が偉そうに指示するだけで腹が立つ…。事情をもっと話せばもっと早く事が進むのに、それもせず態度が横柄。

怒涛のアクションの連続という触れ込みで、アクション好きの私はとても楽しみにしていたんですが…。
実際に戦いが始まるまで50分くらい掛かるので、非常に前置きが長く感じました。

悪党の弟の声が野太くて迫力ありました。
待ちに待ったアクションはスローモーションを多用し過ぎですが、迫力は抜群です。
モブキャラだと思った人達が予想外の活躍。ディリ単体のお話かと思いきや少し群像劇っぽい。

もう少し見たかったですが、手錠を活かしたアクションがカッコいい。
インドのアクション映画あるあるですが、主人公が刺されても斬られても大丈夫な超人みたいなタフさでアリティーは無いのでその辺は好みが分かれそうですね。

ほぼ全編アクションと聞いて心踊りましたが、実際はそうではなくガッカリしました。しかしながら、終盤は力業で強引にねじ伏せて来る迫力あるアクションで楽しませて貰いました。ディリの過去をあまり明かさないのも良かった。親子の絆もほっこりでちょっと泣けました。
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