このレビューはネタバレを含みます
もうすぐバレンタインデーと言う事で、チョコレートの映画をと思い鑑賞。
甘くて苦い、カカオのお話し。
タイトルの“the taste of nature”の名の通り、綺麗な映像の中に大自然が拡がる。
北村有起哉さんの様な、ヒョウヒョウとした表情のアダチ氏が印象的だった。
ボリビアの、ワニからの猛禽類のショットは、まるで演技をしてくれているかの様で、まさに大自然がくれた奇跡の瞬間。
アブラハムさんのカカオから作られたチョコレートを、食べられる日は来るのだろうか。機会があれば、少々値が張っても食してみたい。
坂本美雨さんのナレーションは本当に心地良く、ずっと聴いていたいと思えた。
所々にインサートされるアニメーションも可愛かった。
音楽は印象的なものはあまり無かったが、大自然を流れる川の音や、ジャングルを歩く足音などは大変心地良く、もっと聞いていたかった。
ブラックアウトからの斜めの光は、夕陽では無く朝陽であるとわかる様になっており、ラストショットの舗装のされていない曲がりくねった道を、朝陽の昇る光の方向へと歩みを進める事が、アダチ氏のひいてはビーントゥバーの、険しい道のりながらも限り無い希望と可能性を秘めたモノであると言う、そんな意図を感じた。
そこには、立ち止まって豚の写真を撮るような、遊び心や心の豊かさも忘れずに。
せっかくなら、あと2、3社のビーントゥバーの代表などにも密着して、様々な角度のチョコレートの世界を見せて欲しかった。