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明日に向かって笑え!のrage30のネタバレレビュー・内容・結末

明日に向かって笑え!(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

騙し取られた金の強奪を計画する男達の話。

ジャンル的にはケイパー・ムービーなのですが、本作の特徴となるのが、主人公が詐欺の被害者であり、善人である事。
映画の前半は、主人公が金を騙し取られる様子が描かれるので、すっかり感情移入させられますし、あくまで自分達の金を取り返す事だけが目的なので、余計な倫理観を働かせる必要もない。
ケイパー・ムービーでありながら、勧善懲悪な話になっていて、純粋に主人公を応援しながら見れるのが良かったですね。

いざ強奪計画が始まってからも、一つ一つのトラップを少しずつクリアしていくのが面白いし、主人公だけでなく仲間の協力が感じられるのも良い部分。
強奪と言っても、所詮は素人集団なので間抜けな描写もあったりして、基本コメディタッチで描かれるので楽しく見る事が出来ました。
最後まで非暴力を貫き、犯人をしっかり罠にハメてみせるのも実に痛快。
欲を言えば、一人一人のキャラに明確な見せ場を用意してあげて欲しかった気もしますが、これだけ人数が多いと難しかったのかもしれません。

庶民の為に作られた、庶民の為の娯楽作という感じで、これくらいの映画が丁度良いんですよね。
『オーシャンズ』シリーズの様な派手さや上品さはないけれど、主人公に共感出来て、途中でワクワクして、最後にスカっとさせてくれれば、それで十分満足というか。
変にアートぶったり、高尚ぶった映画よりも、こういった映画が増えると良いなと思いました。

ちなみに、アルゼンチン産のケイパー・ムービーと言えば、『ミリオンダラー・スティーラー』を思い出したのですが、アルゼンチンでは人気のジャンルなのかな?
こちらも面白い作品だったので、未見の方にはオススメです。
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