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こちらあみ子の大阪ガスのレビュー・感想・評価

こちらあみ子(2022年製作の映画)
4.5
物事の受け取り方、感じ方が違うだけで、あみ子は優しい子だった。
そのズレが社会生活において致命的だけども。

あみ子に振り回されて疲弊していく家族と、蔑ろにされるあみ子。
側から観るあみ子の悲劇も、きっとあみ子にとっては悲劇ですらなくて、その認知の違いが余計に悲しい。
ラストシーン、笑顔の「大丈夫じゃ!」も強く生きていくあみ子というより、何も分からず独りの世界で生きていくあみ子のこれからを想像してしまう。

人の気持ちなんてわかんないよな。
まわりが器用にどうやってんのかさっぱりだよな。
一つずつ教えてもらって、不器用に覚えていくしかできないよな。
そうやって生きていく内に、自分の気持ちもわかんなくなっちゃうよな。

広島の夏の風情、虫や植物が生き生きとして、海風を感じる映像はノスタルジックで、あみ子の妄想お化けはリズミカルで楽しく優しい。
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