さて、日仏学院のメディアテークでジャック・ノロ『La chatte à deux têtes』を発見した。ジャック・ノロの作品はカイエ・デュ・シネマやジョン・ウォーターズが好んでいる一方で、日本ではほとんど知られていない監督である。今回、鑑賞した『La chatte à deux têtes』はフランスのハッテン場になっているピンク映画館の日常を描いた作品である。
冒頭、映画館からゲイが身体をクネクネさせながら出てくる。そして、本作のタイトルにもなっている《La chatte à deux têtes》のポスターをまじまじと眺めていると、おっさんが入店する。ゲイはその後を至近距離でついていく。おっさんは座席をライターで照らす。これは現代でいうところの暗いスクリーンをスマホの光で照らす行為なのだろうか。それともハッテンの合図なのだろうか。意外なことにふたりは結びつかず、ゲイは劇場を徘徊していく。本作はセリフを抑えながら、身体的動きを静かに捉えることによって繊細、時に大胆な行為を見つめていく。