kazata

ディア・エヴァン・ハンセンのkazataのレビュー・感想・評価

3.0
Dear kazata,

今日『ディア・エヴァン・ハンセン』っていう映画を観に行ったら、300席ぐらいのシアターに自分含めて2人しか客がいなくて、
でも、孤独な少年が主人公の映画(キャストが全く高校生に見えないけど…)だから、ある意味で相応しい環境に思えてちょっとだけテンションが上がったんだけども……うん、なかなかいい映画だったよ。
まぁ、そもそも自分が"フィクション愛が爆発する映画"好き人間だからね、"嘘から始まる物語"なんて大好きに決まってるよね。

それにしても、チョボスキー監督は相変わらず"ウォールフラワー"側の物語にこだわってて、自称映画好きなんて(もちろん自分含めて)そっち側の人間じゃん?そりゃ感情移入だってしやすいわけでさ。
(なんとなくだけど、見始めたら大好きなドラマ『13の理由』みたいな雰囲気を感じ取れてね)

うん、ソロで始まったミュージカルシーンがSNSと融合しつつ合唱になった頃には、結構感動したんだけど……正直そこがピークだったな。

後半にかけての(たぶん泣かせにかかった)ミュージカルシーンとか、(想像通りで意外性の無い)主人公の真実の告白シーンとか、逆にもう失笑しながら見ちゃったよ。
(それでも、ラストのミュージカルシーンはよくできた"綺麗なオチ"だったから、それなりに感動できたけどね)

うん、やっぱり自分はチョボスキー監督とセンスが合わないってことがこれでハッキリしたわ。
本作も『ウォールフラワー』も『ワンダー 君は太陽』もキャラや物語設定はドンピシャで心に刺さるし、途中までは楽しく見られるんだけどね……センスが合いそうで合わないからこそ、不満も必要以上に大きくなっちゃう、ってことかな。
なんだろ、物事のきっかけはいいんだけど、「僕が見たいのはそっちじゃないんだよな…」っていう方にどんどん盛り上がっていっちゃう感じっていうか……
(各作品とも主人公よりも周りの人の方が可哀想で気の毒に思えちゃうことが多いというか…)
(本作で言えば、失った信頼を取り戻していく過程こそを見たかったというか…)
(「キミのことがずっと好きだったから兄貴に相談してたんだよね」って流れにもならないし…)
(ってか、プロムでのリアルなダンスシーンをバスっと省略してしまうセンスが信じられないって!)

うん、これ以上書いてたら、とめどなく不満が湧いてきそうだから、
この辺でやめとくよ。

最後に、良いところを。
メールのやり取りで"同性愛いじり"な方向に行かないのは、もうそれだけ性的マイノリティ問題が(少なくともフィクション世界内においては)クリアになってきている流れだと思うから(『Love,サイモン』とかあったし…)良かったのと、ジュリアン・ムーア&エイミー・アダムスの揺るぎ無い安定感がスゴかったね。

そんなわけで、手紙風に感想を書こうと思ったんだけど、
チョボスキー監督への決別宣言になっちゃったかな。

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