知らない街の深夜と早朝を切り取った
ポートレート味の強い旅映画
ひとびとが自分の居場所へ帰り
静かな中に寛ぎの気配が
そこかしこから漂う深夜の徘徊の
真夜中という背徳感も併せて抱く陶酔感。
学生の頃、まま、知らない脇道に挑み、
迷い込んだりしたなぁ。
鳥と虫の息吹だけが響く静寂の早朝
世界に自分ひとりではないかと
ふいに不安を覚える一瞬と
少しずつ生活が始まる音や光に安堵する街角。
夏季の朝陽に注されるのも、
冬季の淡い月を見送るのも、大好きだった。
もう遠い情景のそれらを
ふつふつと思い起こされた。
センチメンタルの懐古。
金曜日の深夜、
或いは日曜日の早朝あたりに
カフェオレ片手に眺めたい雰囲気。