みやび

ビヨンド 4K レストア版のみやびのレビュー・感想・評価

ビヨンド 4K レストア版(1981年製作の映画)
4.2
ルチオ・フルチによる顔面破壊映画。

冥界と現世を繋ぐ「地獄の門」の上に建てられたホテルを舞台としたスプラッターホラー作品。

不可解なストーリーと容赦のない殺戮シーンの掛け合いが、作品全体の不穏さを作り上げていた(悪く言えば脚本が完全に破綻している)
脈略も必然性もない。あるのはグロ、それだけ。

吹き出る血。
冒頭の凄惨なリンチシーンをはじめ、眼球をくり抜き、硫酸で顔面が溶け、デカ蜘蛛の大群が人肉を喰い散らかし、犬に喉を噛み切られ、ゾンビの頭を拳銃で吹っ飛ばすなど、ウソみたいな残酷シーンが満載。

グロ映画好きにとっては飴と鞭。
そうでもない人にとっては鞭と鞭、鞭、鞭、鞭。

気味の悪い事を躊躇なく受け入れる登場人物たちを見ていると、その地に足を踏み入れた時点ですでに呪われていた、と考えるのが自然かなとか。
登場人物たちの抱く感情はどれも、恐怖よりも興味に近い印象を受けた。
となると、興味から呪いを解いてしまったという解釈に落ち着く。

とにかく、ラストシーンが最高に決まっててカッコいい。
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