イチロヲ

月光の囁きのイチロヲのレビュー・感想・評価

月光の囁き(1999年製作の映画)
3.5
性体験を覚えたばかりの男子高校生が、交際相手の女子にマゾヒストとしての姿をさらけ出そうとする。喜国雅彦の同名コミックを映像化している、エロティック・ドラマ。

「彼氏の異常性愛に反発することにより、自身の秘められた欲動が開花していく」という、日活ロマンポルノもビックリの王道ストーリー。成人映画の定番モチーフを好いとこ取りで抜き取り、リミックスしているような印象を受ける。

ドラマ内容は、谷崎潤一郎と三島由紀夫を掛け合わせて、登場人物を10代の若者に置き換えたような感じ。性的嗜好の多様性を互いに共有して、本当に幸せな性生活を築き上げることについて、至極真っ向から提起している。

高校生がこういうことに気づくのは「ちょっと早いかな?」とも思ったりするが、ガラスの心をもつティーンズだからこその瑞々しいサドマゾ劇が完成されている。役者陣の体当たり演技にもサムズアップ。
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