花火

ONODA 一万夜を越えての花火のネタバレレビュー・内容・結末

ONODA 一万夜を越えて(2021年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

最初こそ時代色あふれているけど普通に良いくらいかなと思うも、部下の兵士たちがどんどん離脱し4人だけになる辺りから徐々に本気度が伝わり、中野学校の回想からは完全に覚醒モードに入る。まさしく高潔と狂気と言ったところで、"何故そこまで信じるのか?"という問いを無効化するほど、二俣分校での「君たちに死ぬ権利は無い」「何年かかっても必ず迎えに行く」等々のイッセー尾形による檄は真をもって迫る。最終的に自分で作り出した状況に追い詰められた津田寛治が、仲野太賀との出会い酒を酌み交わしたことで「谷口義美は私の直属の上官です。彼を連れてきてください」と吐露し糸が切れたかのように崩れ落ちる姿に落涙。本筋とは関係ないけど、銃撃戦での距離の演出も、撃たれて死ぬ呆気なさと仲間を殺した農民を殺す場面での短刀による刺殺の重さとの差の見せ方も上手い。
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