東映の『ルバング島の奇跡 陸軍中野学校』(74)と本作が被っているのは中野学校ネタだけで、本作は、小野田が戦争が終わってもジャングルから出てこない話が中心。イッセー尾形の教官が、いざとなると責任を回避しようとするのが人間的で面白い。それにしても、あるドキュメンタリー映画で、小野田氏が靖国神社で日の丸を掲げ、軍服姿で行進する姿が捉えられていたが、右翼(日本会議など)に利用されたのか、自主性に基づく行為なのか、監督が小野田氏に意図を尋ねると激高するのが印象的だった。彼にとって、やはり戦争は終わっていなかったのだろうか。