このレビューはネタバレを含みます
ずいぶんあっさりした終わり方をする映画で、ドラマチックでもなんでもなく、つまり日常を描きたかった作品なんだろうと解釈した。
自閉症の息子と、高齢の母親の二人暮らし。
近隣住民との付き合いも含めて、実際こんな感じなのかなぁと思いながら観ていたけど、近隣住民が徒党を組んでグループホームに抗議するやり方は、見ていて不愉快だった。
受け入れるのも、距離を置くのも、本人の自由だから好きにしたら良いと思うけど、「意見を言うなら1人で言えよ、責任を分散させんな」って思った。
また、占い師のようなことをして、時給10万円くらい稼いでる母親も嫌悪の対象だった。
一方で、よく知らないから距離を置こうとしていた里村家の父親が、一歩踏み込んで忠さんの人となりを知ることで、考え方が変わる様を描いたのは良かった。
「それが分別のある大人ってもんだよな」と思って終われたし、ああやってちゃんと自分で判断する人は好きだな。
梅が邪魔だから切って欲しいと伝えたり、勝手に自宅に入られて怒ったりってのは、むしろ家族を守るためにそうあるべきだと思うし。