たかちゃん

ギャング・オブ・アメリカのたかちゃんのレビュー・感想・評価

ギャング・オブ・アメリカ(2021年製作の映画)
3.8
ギャングでありながら、殺人会社、賭博場などのビジネスでアメリカの税収の歳入と雇用創出に貢献したというリンスキーを描いた暗黒街映画。作家が老いたリンスキーの話を聞き、回顧録としてまとめようとする。その回想と、作家にFBIが近づき、リンスキーの3億ドルにのぼるといわれる隠し資産について聞き出せと迫る。リンスキーはそれを知りながら、作家に思い出と箴言を口にする。彼はアメリカを支配していた、実はFBIも支配していたのだ。だが、「人生だけは支配できない」と語る。
ラッキー・ルチアーノ、バグジーなどおなじみの面々も登場。賭博で資産家となったリンスキーにイスラエル国家から支援要請があり、それに応えたり、隠れナチの集会に殴り込みをかけ、参加者をぼこぼこにしたり、リンスキーの功罪の功の部分をも描いているのは、リンスキーの再評価を意図したのか。どことなくコーエン兄弟にスコセッシのテイストを加えたような、冷徹とユーモアに満ちた作品。ハーヴェイ・カイテルの迫力、サム・ワーシントンのどこか崩れた風貌の作家、その駆け引きが面白い。
たかちゃん

たかちゃん