…キャリーにしては少なくない?
元凶とおぼしき魔女とリンクした主人公が、魔女の視点からその体験を幻視し、ある真実に辿り着く前半。再び90年代に舞台を戻し、すべてを収束させるべく最後の対決にのぞむ後半。事実上の解決編となっている第3部だ。
ここにきてキリスト教圏でも指折りの黒歴史であろう魔女狩り・魔女裁判をネタに持ってきたのはグッド。情報が不確かな中で、思い込みや恐れから異物を排斥する集団的な本能やそれが招く悲劇という構図は現代でもまったくあり得る(まさにこのコロナ禍においてうんざりするほど見てきた)話であり、その点でこれがジュブナイル向けエンタメとして描かれているのはある意味道徳的ともいえる。
最終的な決戦がモールに回帰していくのも収まりがよく、現代の日常と同化したきらびやかな風景のすぐ下をめくれば、血や呪いが埋められているかもしれないという世界観が興味深い。アメリカは歴史そのものが急速な開拓によって成立している国なのだから、もしかするとここだけではなく各地に同じような時効前の業が根付いて密かに育っていてもおかしくないな…とか思わせる。
ただここまでの話を2時間×3話の計6時間かけてやるか、っていうのはやはり疑問で、映画というよりは良くも悪くもドラマぽかったなあというのが全体的な印象。
最後はまさかそんな直球なオアシスで締める。
モール決戦ではルビー・レーンちゃんの活躍(活厄)が控えめですこし残念だった。単独スピンオフ希望!