Kumonohate

この二人に幸あれのKumonohateのレビュー・感想・評価

この二人に幸あれ(1957年製作の映画)
3.5
本多猪四郎監督の1957年作。親の反対を押し切って結婚した若い男女(白川由美と小泉博)が頑張る話。とりたててウリのある作品ではないが、本多監督らしい実直で手堅く破綻のない演出が光る。

それにしても、この頃の日本映画には“娘の結婚”ネタが多い。それは、自由恋愛や男女平等が叫ばれる一方で、現実ではまだまだ女性が家や家庭に縛られていたことの裏返しなのだろう。本作のラストでは、失業中で仕事が見つからない夫が、寿退社したものの夫の失業によって再び働き始めることにした妻を賞賛する。時代は変わるのだ、変わらねばならないのだ、という強い意識を感じる。そんな意識も日本映画黄金期の原動力だったのかもしれない。
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