MasaichiYaguchi

わんぱく戦争 デジタルリマスター版のMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

3.7
フランスの国民的作家ルイ・ペルゴーの小説「ボタン戦争」を基に映画化した本作は、南フランスの田舎を舞台に、隣接する2つの村の子どもたちが繰り広げる抗争を、時にパワフルに、時に軽妙なタッチで描いていく。
1961年製作の映画だが、未だ小学生ぐらいの子どもたちのませていることにはびっくりする。
飲酒はするは、喫煙はするは、エロ本も持っているわで、私の知っている限りでは、やんちゃな中学生なら分かるが、小学校低学年でそれをやっちゃ駄目だろうと観てて思ってしまう。
更に、私も子ども時代には徒党を組んで近くの子どもグループと喧嘩したことはあるが、本作のように“動物”や“重機”まで繰り出すなんて、考えたこともなかった。
本作は当時のフランス社会を風刺しているとのことなので、ここまで“過激”になっているのかもしれない。
ただ本作では親の虐待を感じさせるシークエンスが登場したり、拳を交えれば友達みたいなシーンもあったりして、現代に通じるところがある。
それにしても、モノクロで描かれた子どもたちの自由闊達と思うか、遣りたい放題は、我々の年代にはノスタルジーかもしれないが、コロナ禍で自由に遊ぶことが出来ない今の子どもたちには眩しく、羨ましく映るかもしれない。