わたぼう

すべてうまくいきますようにのわたぼうのレビュー・感想・評価

4.6
フランソワ・オゾンの新作『すべてがうまくいきますように』よかった。オゾンは思い入れがある監督なんだけど、ずっとイマイチ続きだったので、ようやくいい作品ができてうれしい。

自分の親のことと重なりすぎて、なんでこんな重い映画作るんだよ…と思って観てたけど、最後はなんだか色々がんばろうと前向きな気持ちになった。タイトルが沁みる…。

『Tout s’est bien passé / Everything Went Fine』(全てうまくいった)邦題の「いきますように」に少し違和感があったんだけど、未来感が込められてると思えば、いい気がしてきた。あと『きっと、うまくいく』に似ちゃうのを避けたのかもしれない。

それにしても最近フランス映画でこの手のテーマが多いな。

家族の死や、自らの死は誰にでも訪れるし、ある程度の年齢になると、見つめたくなるテーマなのかも。

アンドレ、エマニュエル、パスカル(+息子のラファエル)、クソ野郎、登場人物それぞれの想いを考えると、いろんなことを思い出して、泣けてくる。でも、笑えてくるところもあって、家族の死に対する温度感が絶妙。オゾンは最近家族を亡くした経験があるのかもなと思った。
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