フランソワ・オゾンの新作『すべてがうまくいきますように』よかった。オゾンは思い入れがある監督なんだけど、ずっとイマイチ続きだったので、ようやくいい作品ができてうれしい。
自分の親のことと重なりすぎて、なんでこんな重い映画作るんだよ…と思って観てたけど、最後はなんだか色々がんばろうと前向きな気持ちになった。タイトルが沁みる…。
『Tout s’est bien passé / Everything Went Fine』(全てうまくいった)邦題の「いきますように」に少し違和感があったんだけど、未来感が込められてると思えば、いい気がしてきた。あと『きっと、うまくいく』に似ちゃうのを避けたのかもしれない。
それにしても最近フランス映画でこの手のテーマが多いな。
家族の死や、自らの死は誰にでも訪れるし、ある程度の年齢になると、見つめたくなるテーマなのかも。
アンドレ、エマニュエル、パスカル(+息子のラファエル)、クソ野郎、登場人物それぞれの想いを考えると、いろんなことを思い出して、泣けてくる。でも、笑えてくるところもあって、家族の死に対する温度感が絶妙。オゾンは最近家族を亡くした経験があるのかもなと思った。